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腰痛予防にTEA社の作業アセスメントアドオン

2026年3月17日

重量物取り扱い荷役作業での腰痛など筋骨格系障害リスクを評価する「NIOSH評価式」が、人間工学分析ソフト「CAPTIV」に搭載されました。センサーを用いた測定・自動計算により、職場環境の改善と安全対策を強力にサポートします。

NIOSH方程式による腰痛など筋骨格系障害リスク評価

CAPTIV Scoreで利用可能な信頼性の高い方法

腰痛など筋骨格系障害(MSD:Musculoskeletal Disorders)は、職場における健康リスクの中でも特に多い問題の一つであり、特に手作業での荷物の持ち上げ作業に関連して発生することが多くあります。

これらのリスクを事前に把握し、低減するために、米国のNIOSH(National Institute for Occupational Safety and Health、国立労働安全衛生研究所)が開発した方程式が重要な参考資料となっています。そしてフランスTEA(Tech Ergo Appliquées)社が開発した人間工学分析ソリューション「CAPTIV Score 」にこの手法が統合されています。

NIOSH持ち上げ方程式とは

NIOSH持ち上げ方程式は、負傷のリスクを最小限に抑えるために、持ち上げ作業における推奨質量上限(RWL: Recommended Weight Limit)を決定するのに役立ちます。この式では、持ち上げ動作や作業環境に関連するいくつかの生体力学的パラメータが考慮されています。

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NIOSH持ち上げ方程式は、負傷のリスクを最小限に抑えるために、持ち上げ作業における推奨質量上限(RWL: Recommended Weight Limit)を決定するのに役立ちます。この式では、持ち上げ動作や作業環境に関連するいくつかの生体力学的パラメータが考慮されています。

NIOSH方程式

RWL = LC × HM × VM × DM × AM × FM × CM

ここで:

  • RWL(推奨質量上限):推奨される最大荷重
  • LC(参照質量)=23kg(基準値)
  • HM(水平乗数):手と体の間の水平距離
  • VM(垂直乗数):持ち上げ開始時の手の垂直位置
  • DM(垂直変位乗数):荷物の垂直移動距離
  • AM(非対称乗数):体幹のひねり(回転)の度合い
  • FM(頻度乗数):持ち上げの頻度
  • CM(結合乗数):手と物の握りやすさ(持ち方の質)

次に、持ち上げ指数(LI: Lifting Index)を計算します。

LI = 実際の荷重 (kg) / RWL (kg)

持ち上げ指数(LI) は、実際に持ち上げた重量と推奨質量上限の比率を示します。LIが高いほど、リスクは大きくなります。LIが1を超えると、筋骨格系障害(MSD)つまり腰痛のリスクが高まっていることを示します。

分析方法

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NIOSH式が「CAPTIV Score」に統合されたことで、モーションキャプチャーセンサーを用いて、手作業による荷物の取り扱いを完全かつ構造的、客観的に分析することが可能になります。この手法は、明確で効果的なロジックに基づいています。

  • 作業者(胴体、腕、脚)のモーションセンサーの装着
  • ビデオ同期による、代表的な作業期間にわたる測定
  • CAPTIV内での持ち上げフェーズの直接的な特定
  • 以下の主要指標の自動計算
    ・RWL(推奨重量限界)  
    ・LI(持ち上げ指数)

適用条件

NIOSH式は、以下の条件を満たす持ち上げ作業にのみ適用されます。

  • 両手での持ち上げ
  • 立った状態での実行
  • 安定した荷物の持ち上げ
  • 標準的な環境(例:常温、滑りにくい床面など)

主要な評価要素

NIOSH法には、以下の要素が組み込まれています。

  • 参照質量(荷重定数): 23 kg
  • 垂直乗数:持ち上げ開始時の手の垂直位置(VM)
  • 垂直変位乗数:荷物の垂直移動距離(DM)
  • 水平乗数:手と体の間の水平距離(HM)
  • 非対称乗数:体幹のひねり(回転)の度合い(AM)
  • 頻度乗数:持ち上げの頻度(FM)
  • 結合乗数:手と物の握りやすさ(持ち方の質、良い、普通、悪い)

実用例

NIOSH式が有効であると証明されている現実のシナリオをいくつか紹介します。

  • 産業界における手作業での取り扱い(物流、倉庫)
  • 小売業における箱の持ち上げ
  • 棚への重い製品の補充
  • 建設現場における反復的な持ち上げ
  • 人間工学的な改善提案を伴うトラックの積み下ろし

まとめ

TEA(Tech Ergo Appliquées)社による作業アセスメントアドオンCAPTIV ScoreへのNIOSH式の統合は、持ち上げ作業に関連するMSDリスクを評価するための、厳密かつ自動化された手法を提供します。これは、作業者の健康を保護し、職場の人間工学を最適化する上で、非常に価値のある前進です。

NIRULAメソッド:迅速かつ効果的な上半身の姿勢評価

RULAとは

RULAは「Rapid Upper Limb Assessment(上肢の迅速な評価)」の略であり、作業中の首、体幹、腕、手首が関与する姿勢によって引き起こされる筋骨格系障害(MSD)のリスクを評価するために設計された手法です。 人間工学の専門家や実務者が、怪我につながる可能性のある有害な姿勢を迅速に特定するのに役立ちます。

起源と背景

1993年にノッティンガム大学のMcAtamney博士とCorlett教授によって開発されたRULAは、複雑な機器を必要とせずに姿勢のリスクを検出できる、迅速で使いやすいツールを提供するために作成されました。 現在では、製造業、ヘルスケア、物流、オフィスワークなど、さまざまな分野で広く使用されています。

主要な定義

  • MSD(筋骨格系障害): 筋肉、腱、神経に影響を及ぼす障害
  • 姿勢の負担(Postural strain): 持続または繰り返されることで身体にストレスを生み出す姿勢
  • RULAスコア: 姿勢リスクのレベルを表す数値

スコア

最終的なRULAスコアは1から7までの範囲であり、次のように解釈されます。

  • 1–2: 低リスク – 対策は不要
  • 3–4: 中リスク – 変更を検討する
  • 5–6: 高リスク – 迅速な対策が必要
  • 7: 非常に高いリスク – 即時の対策が必要

考慮される要素

RULAでは以下の項目を評価します。

  • 腕、手首、首、体幹の姿勢
  • 関節の角度と、静的または反復的な動き
  • 筋肉への負荷と力を発揮する頻度

これらの指標を総合して、生体力学的な負担のレベルを決定します。

適用条件

この手法は、以下のような場合に最も適しています。

  • 作業が静的または反復的である場合
  • 上半身の不快感が懸念される場合
  • より詳細な分析の前に、迅速なスクリーニングツールが必要な場合

限界

RULAにはいくつかの限界があります。

  • 下肢の評価は行わない
  • 作業のばらつきではなく、単一の姿勢を反映す
  • 動的で急速に変化する動きに対しては効果が低い

それでもなお、多くの環境において強力な初期評価ツールとして役立ちます。

分析方法

RULA分析を実行するには、以下の手順を踏みます。

  • 作業を観察または記録する
  • 角度と姿勢を特定する
  • RULAの採点表を使用する
  • 値を足し合わせて最終スコアを取得する
  • スコアを解釈し、必要な対策レベルを定義する

実用例

  • 上半身の反復動作を行う組み立てラインの作業員
  • デスクの人間工学的な環境が悪いオフィスワーカー
  • 振動工具を使用する機械オペレーター
  • 固定された場所で軽量の荷物を取り扱う物流作業員

CAPTIV Scoreに統合済みのRULA

RULAはTEA社の人間工学評価モジュールであるCAPTIV Scoreに完全に統合されています。これにより以下のことが可能となります。

  • モーションセンサーを使用した自動姿勢検出
  • 同期されたビデオによる位相分割
  • 瞬時のスコア計算
  • チームやクライアント向けの完全な視覚的レポート

この統合により、人間工学的な評価におけるスピード、客観性、および意思決定が向上します。

OCRA方式 – 上肢の反復動作の評価

OCRAとは

OCRA(職業的反復動作)方式は、上肢の反復動作する筋骨格系障害(MSD)の精密なリスク評価へのニーズ拡大に期待するため、イタリア、1990年代のColombini、Occhipinti、Griecoらによって開発されました。 産業や職人仕事など、繰り返し作業を含む分野に特に適しており、作業サイクルの詳細な分析が必要となります。

理解すべき重要な概念

OCRAメソッドを効果的に活用するには、以下のいくつかの核となる概念を理解しておく必要があります。

  • OCRA指数: 上肢のリスクレベルを反映して算出される計算値
  • 作業サイクル : 連続の動作が同じに行われる期間
  • 技術的動作: 手首の回転や物の握りなど、身体の一部が行う特定の動作

どのような要素が分析されるのか?

OCRAメソッドは、分析に考慮される変数の幅広さが特徴です。

  • 1分間あたりの技術的動作の回数(タスクによって異なる場合があります)
  • これらの動作に対する1日あたりの時間
  • 手首、肘、肩などの窮屈な(制限された)姿勢
  • 発揮する力のレベル(存在的、または測定値)
  • 回復時間(休憩や、仕事の交代)
  • 振動、寒さ、局所的な圧迫などの懸念

これらすべての変数を問うことで最終インデックスが算出され、データに基づいた意思決定が可能になります。

いつOCRAメソッドを使うべきか?

この手法は、特に以下の場合で推奨されます。

  • 繰り返し性が高く、ペースが決められている作業
  • ワークステーション(作業場所)ごとの詳細なリスク評価
  • ビデオ録画や現場での時間測定に基づく分析

したがって、高度な人間工学的専門知識を必要とする複雑な産業環境には最適です。しかし、小規模企業や変動の大きい業務にはあまり適していません。

考慮すべき制約事項

OCRA法は包括的ではあるものの、いくつかの制約もあります。

  • RULAのようなツールよりも複雑で、時間もかかります
  • 反復作業以外の用途にはあまり適していません
  • 事前の訓練とタスク固有の分析が必要となるため、一般化には限界があります。

実際の適用例

OCRAメソッドは、以下のような多くの分野で使用されています。

  • 自動車または電子機器の組み立て
  • 手作業による包装(食品、医薬品業界)
  • 食肉加工および屠殺場
  • 縫製、繊維作業、実験室でのピペット操作
  • 軽量手工具の長時間使用

これらの現場において、リスクの高いタスクを特定し、人間工学に基づいた具体的な改善策を提案するのに役立ちます。

CAPTIV Score で利用できる 2 つのアプローチ

ソフトウェア「CAPTIV Score」では、2 つのOCRA のバリエーションから選択できます。

  • Full OCRA Index : 動作の頻度、窮屈な姿勢、負担分担(力、回復、環境条件など)を統合し、タスクごとに詳細な分析を行うためのアプローチ
  • OCRAチェックリスト : 筋電図(EMG)データの現状に沿って、迅速な予備評価を行うのに最適な簡易版

評価は、使用するグリップ(握り方)のタイプを指定して、右腕と左腕で個別に実行することが可能です。

OCRA解析の安定性と精度を高めるために、CAPTIVはビデオキャプチャと同期したモーションセンサーの統合を可能にしています。これにより、姿勢の自動検出と、1分間あたりの技術的な動作のカウントが容易になります。さらに、EMGセンサーを使用すればリアルタイムの筋活動を測定することができ、実際の身体的負荷を詳細に評価できます。EMGセンサーが利用できない場合は、ボルグスケールを使用して自覚的運動強度を推定できます。

CAPTIV Scoreは、OCRAメソッドの包括的な形式(OCRAインデックス)と簡略化された形式(OCRAチェックリスト)の両方を完全に統合しており、国際基準に準拠した人間工学的評価を提供します。現場のデータと人間工学の専門知識を知ることで、OCRAは筋骨格系障害(MSD)を削減し、労働生活の質(QWL)を向上させるためのツールとして役立ちます。

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